正直に言うと、
将来が不安でたまらなかったのに、私は長いあいだ、何もできなかった。
やる気がなかったわけじゃない。
変わりたくなかったわけでもない。
むしろ逆だった。
「このままじゃ、きっと後悔する」
そんな思いは、ずっと胸の奥に沈んでいた。
それなのに、何かを始めようとすると、手が止まる。
指先が、ほんの少しだけ重くなる。
今日は疲れているから。
もう少し考えてから。
来月からでも、きっと遅くない。
そうやって自分を納得させる言葉を並べるうちに、
季節だけが静かに移り変わっていった。
今なら分かる。
何もできなかった一番の理由は、
「動けなかった」からじゃない。
「何をすればいいのか、分からなかった」からだ。
選択肢は、あまりにも多かった。
多すぎて、自分に合うものが見えなくなっていた。
失敗したらどうしよう。
途中で投げ出したらどうしよう。
時間もお金も、無駄にしたくなかった。
考えれば考えるほど、視界は狭くなり、
一歩を踏み出すこと自体が、怖くなっていった。
勇気がなかったわけじゃない。
ただ、進むべき方向が、霧に包まれていただけ。
それでも時間は容赦なく進み、
「何もしていない自分」だけが、
取り残されている気がして、
私は少しずつ、自分を嫌いになっていった。
でもある日、ふと思った。
本当に、私は何もしてこなかったのだろうか、と。
毎日、頭の中では動いていた。
検索して、悩んで、比べて、落ち込んで。
それでも「変わりたい」という気持ちだけは、
どんな日も、消えずに残っていた。
それはきっと、
表には見えない、準備の時間だった。
すぐに走り出せる人もいる。
でも、時間をかけて立ち止まり、
考え続ける人もいる。
私はたぶん、後者だっただけだ。
焦らず、
自分のペースで、
ちゃんと納得してから動きたかった。
だから、何もできなかった時間は、無駄じゃない。
むしろ、
これから踏み出す一歩を、
大切にするための時間だった。
そう思えるようになった今、
私はようやく、ほんの少しだけ、前を向けるようになった。
この投稿は、
「できなかった私」を責めるためのものじゃない。
立ち止まった時期があったからこそ、
今の私が、ここにいる。
そうやって、
自分に優しくなれるようになった話。