日. 1月 11th, 2026

正直に言うと、
「Zoom」と聞いた瞬間から、
もう怖かった。

画面越しとはいえ、
人と話す。
しかも、「仕事」の話をする。

想像しただけで、
心臓が落ち着かなくなった。

当日までの数日間、
頭の中では何度もシミュレーションを繰り返していた。

変なことを言わないかな。
質問されたら、ちゃんと答えられるかな。
パソコン操作、間違えないかな。

カメラが映った瞬間、
フリーズしたらどうしよう。
声が出なかったらどうしよう。

今思えば、
どうでもいいことまで、
全部が不安だった。

当日は、
落ち着かないまま時間が過ぎていった。

時計を見る回数が、
いつもより明らかに多かった。
針が進むたびに、
胸の奥が、きゅっと縮む。

開始五分前には、
もうパソコンの前に座っていた。

部屋は静かで、
聞こえるのは、
パソコンのファンの音と、自分の呼吸だけ。

画面に映る自分を見て、
急に恥ずかしくなった。

こんな顔で大丈夫かな。
表情、固くないかな。

カメラをオンにするかどうか、
その選択だけで、
何秒も迷った。

始まる前から、
もう十分、疲れていたと思う。

そして、
時間になった。

Zoomが起動して、
画面が切り替わった瞬間、
頭が、真っ白になった。

声、ちゃんと出てる?
表情、固まってない?
相手の話、聞けてる?

自分のことばかり気になって、
必死だった。

相槌を打つタイミングも、
目線の置き場も、
全部がぎこちなかった。

それでも、不思議なことに、
話が進むにつれて、
少しずつ、呼吸が戻ってきた。

相手は、
思っていたよりずっと普通で、
穏やかに話してくれた。

ちゃんと、
こちらの話を聞いてくれていた。

完璧に話せたわけじゃない。
言葉に詰まったところもあるし、
噛んだところもあった。

でも、
それでも、止められることはなかった。

会話は、ちゃんと続いた。

終わったあと、
椅子に深くもたれた。

体の力が、一気に抜けて、
どっと疲れが押し寄せた。

でも同時に、
胸の奥に、
小さな達成感が残っていた。

あんなに怖がっていたのに、
最後まで、ちゃんと参加できた。

それだけで、
今は、十分だった。

Zoomが怖かったんじゃない。

知らない世界に、
足を踏み入れること自体が、
怖かっただけだ。

でも私は、
ちゃんと、そこに立っていた。

震えながらでも、
逃げずに。

それって、
すごいことだと思った。

投稿者 minatsu

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