一年前の私は、
こんなふうに文章を書いている自分を、
まったく想像できていなかった。
夜、スマホを握りしめて、
副業とか、在宅ワークとか、
そんな言葉を検索しては、
そっと画面を閉じていた。
ページを開いては、
読まずに戻る。
希望より先に、
「やっぱり私には無理だよね」
という結論だけが、
いつも待っていた。
やっていないのに、
できない理由だけは、
いくつも並べられた。
時間がない。
向いていない。
今さら遅い。
どうせ失敗する。
不安をなくそうとして、
何も動けずにいた一年前の私。
今の私は、
その頃とは少し違う場所に立っている。
すごい結果が出たわけじゃない。
収入が劇的に増えたわけでもない。
理想の生活を、
手に入れたわけでもない。
それでも、
確実に変わったことがある。
私はもう、
「何もしていない私」ではない。
気づいたら、
副業のためにパソコンを買っていた。
何ができるかも分からないまま、
勉強を始めていた。
大きな覚悟を決めた記憶はない。
人生を変える決断をした、
そんな瞬間もなかった。
ただ、
「やらないまま後悔するのは、
たぶん、もっとしんどい」
その気持ちだけで、
少しずつ動いていた。
ブログを立ち上げて、
書いては消して、
言葉が出てこなくて、
画面を閉じた日もあった。
それでも、
また開いて、
また書いている。
誰かに見せるためじゃない。
評価されるためでもない。
未来の自分に向けて、
今の気持ちを、
ちゃんと残しておきたかった。
分からないなりに調べて、
怖いなりに登録して、
手が震えながら応募して。
返事が来なくて落ち込んで、
期待して、
また静かに傷ついて。
立ち止まる日も、
何度もあった。
それでも、
完全にはやめなかった。
その小さな積み重ねが、
今の私を、
ここまで連れてきた。
一年前の私は、
不安がある自分を、
責めていた。
「こんなに怖がってる時点で、
向いてないんだ」
そうやって、
自分に言い聞かせていた。
今の私は、
不安があっても進もうとしている自分を、
少しだけ、
認められている。
前は、
未来を考えると、
胸が苦しくなるだけだった。
今は、
怖さはあるけど、
「進んでみたい未来」が、
ぼんやりと浮かぶ。
それだけで、
見える景色は、
ずいぶん変わった。
たぶん、
人生が大きく変わる瞬間って、
こんなふうに静かなんだと思う。
派手な音もしない。
劇的な転機が、
訪れるわけでもない。
ただ、
「前の自分には戻りたくない」
そう思えるようになるだけ。
一年前の私へ。
今の私は、
まだ途中だし、
自信満々でもない。
それでも、
ちゃんと前を向いている。
不安を抱えたままでも、
自分の足で、
進もうとしている。
それはきっと、
あなたが想像していたより、
ずっと遠くまで来ている証拠だよ。