あの頃の部屋は、
今より少し暗かった気がする。
夜になると、
スマホの光だけが浮かんで、
ため息ばかりが増えていった。
何もしていないようで、
本当は、
あなたはずっと考えていた。
このままでいいのかな。
何か変えたほうがいいのかな。
でも、どうしたらいいんだろう。
不安で、
怖くて、
自信がなくて。
それでも、
考えることだけは、
やめなかった。
検索しては閉じて、
誰かの話を読んでは落ち込んで、
「やっぱり無理だよね」って
自分に言い聞かせていた夜。
あの時間は、
無駄じゃなかった。
止まっていたんじゃない。
逃げていたわけでもない。
ちゃんと、
準備していた。
心が追いつくために、
未来を選ぶ勇気を
ためていたんだ。
焦らなくていい。
すぐに答えを出さなくていい。
できない理由を
たくさん考えてしまうのも、
弱さなんかじゃない。
それだけ、
自分の人生を
雑に扱えなかった証拠だから。
誰かと比べて、
胸が苦しくなった夜も。
何もできない自分を
責めてしまった日も。
全部、
ここにつながっている。
だから、
「動けなかった自分」を
どうか責めないで。
あの頃の不安があったから、
今の私は、
不安と一緒に進めるようになった。
あの頃の迷いがあったから、
今の私は、
流されるんじゃなく、
選びながら生きようとしている。
過去の私へ。
あなたは、
何も間違えていなかった。
遅れていたわけでも、
弱かったわけでもない。
ただ、
少しだけ、
時間が必要だった。
静かに、
自分の人生に
手を伸ばすための時間が。
その時間を、
ちゃんと生きたからこそ、
今の私はここにいる。
ありがとう。
あの頃のあなたが、
諦めなかったから。
この物語は、
ちゃんと続いている。