土. 1月 10th, 2026

正直に言えば、
落ち込んでいた理由は、
周りがすごく見えたからじゃない。

本当に苦しかったのは、
何も言えない自分だった。

誰かが前に進んでいる話を聞くと、
心から「すごいな」と思えた。
その気持ちは嘘じゃない。
でも、そのあと必ず、
自分の現在地を突きつけられる。

あの人は、ちゃんと動いている。
私は、まだ同じ場所にいる。

そう思うたびに、
胸の奥で小さくため息が漏れた。
誰にも聞こえない、
でも確かにそこにある音だった。

本当は、
比べる資格なんてないと思っていた。

だって私は、
まだ何も始めていない。
何も形にしていない。
だからこそ、余計に、
言葉にできなかった。

「私も変わりたい」
「今のままは嫌だ」

そんな気持ちを持っていること自体、
なぜか恥ずかしかった。
口に出した瞬間、
覚悟が足りないことが
ばれてしまいそうで。

周りと比べて落ち込んでいたのは、
自分が劣っていると思ったからじゃない。

ちゃんとやりたい気持ちがあるのに、
それを表に出せない自分が、
一番、もどかしかった。

声に出せない。
動き出せていない。
それなのに、
心の中だけは、
ずっと先を見ていた。

今なら、わかる。

あの頃の私は、
まだ自信がなかっただけだ。

何も言えなかったのは、
諦めていたからじゃない。
ちゃんと考えていたからこそ、
軽く口にできなかった。

簡単に言えないほど、
本気だっただけ。

そう思えるようになってから、
私は少しだけ、
あの頃の自分を許せた。

声に出せなかった時間も、
立ち止まっていた時間も、
全部、無駄じゃなかった。

それは、
私が本気で生きようとしていた証だった。

投稿者 minatsu

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