副業に、興味が出てきた。
在宅ワークについても、少しだけ調べた。
パソコンが怖いという気持ちも、
ごまかさずに、自分で気づくことができた。
それなのに――
次に進もうとした、その瞬間。
私は、また同じ場所で立ち止まった。
何から勉強すればいいのか、分からなかった。
「副業」という言葉は大きくて、
中身は驚くほど、ばらばらだった。
ライティング。
データ入力。
SNS。
スキル。
資格。
調べれば調べるほど、選択肢は増えていく。
そのたびに、頭の中は整理されるどころか、
ぐちゃぐちゃになっていった。
全部、大事そうに見えた。
そして全部、自分には無理そうにも見えた。
「最初はこれをやればいい」
そんな正解が、どこかに転がっていないかと探した。
間違えたくなかった。
遠回りも、したくなかった。
だから私は、
勉強を始める前から、悩んでいた。
ノートを開いては、閉じる。
動画を再生しては、止める。
気づけば、何も始まらないまま終わる日もあった。
でも、今なら分かる。
あのときの私は、
怠けていたわけじゃない。
本気だったからこそ、
慎重になりすぎていただけだ。
ちゃんとやりたかった。
だから、適当に選べなかった。
失敗したら、立ち直れるだろうか。
続かなかったら、また自分を嫌いになるんじゃないか。
そんな未来まで想像して、
私は動けなくなっていた。
そんなある日、ふと、思った。
最初から完璧な選択なんて、
できる人なんて、いないんじゃないか。
勉強は、始めてから考えてもいい。
向いていないと思ったら、やめてもいい。
試しながら進むことだって、
ちゃんとした道なんじゃないか。
何から始めればいいか分からないのは、
何も知らないからじゃない。
ちゃんと選ぼうとしている、
その証拠だ。
そう思えたとき、
胸の奥で、少しだけ何かがほどけた。
完璧じゃなくていい。
今は、立ち止まっていてもいい。
そうやって、
自分を責めるのを、
ほんの少しだけ、やめることができた。