土. 1月 10th, 2026

朝は、容赦なくやってきた。

目覚ましが鳴って、
いつもと同じ天井を見上げて、
昨日と同じ時間に布団を抜け出す。

ロードマップを書いた夜の高揚は、
夢みたいに薄れていた。

部屋は変わらない。
机の上も、散らかったまま。
スマホには、新しい通知はない。

収入が増えたわけでも、
自信が湧いてきたわけでも、
世界が優しくなった気配もなかった。

正直、少し拍子抜けした。

あれだけ向き合って、
あれだけ言葉を選んで、
未来を書いたのに。

朝の私は、
また「何者でもない私」に戻っていた。

通勤の準備をしながら、
心の奥で、小さな声がささやく。

――ほらね。
――何も変わってないじゃない。

昨日のワクワクが、
気のせいだったみたいに思えてくる。

現実は、相変わらず重たくて、
今日やるべきことは、
副業とは関係ない用事ばかり。

理想の未来なんて、
この生活の中では、
遠すぎる夢のようだった。

それでも、不思議だった。

「やっぱり無理だ」と
全部を否定する気には、なれなかった。

心のどこかで、
昨日の夜の自分が、
まだ静かに立っている気がした。

コーヒーを淹れながら、
ぼんやりと考える。

ロードマップは、
魔法じゃない。

一晩で人生を変えるものでも、
翌朝を特別にしてくれるものでもない。

それはきっと、
地図というより、
方角みたいなものなんだと思った。

今いる場所は変わらない。
景色も、相変わらず同じ。

でも、
どっちに進もうとしているかだけは、
はっきりした。

それだけで、
昨日までとは、少し違う。

仕事に向かう道すがら、
いつもなら考えないことを考えていた。

今日は、帰ったら何をやろう。
完璧じゃなくていいから、
何か一つ、ロードマップに沿った行動をしよう。

ほんの小さな一歩でいい。
誰にも気づかれないくらいでいい。

「何も変わっていない朝」なのに、
私はもう、
完全に同じ場所には立っていなかった。

以前の私なら、
「変わっていない=失敗」だと思っていた。

でも今は、
変わっていなくても、
進み始めている途中だと思える。

ロードマップを書いたことで、
人生が楽になったわけじゃない。

不安が消えたわけでも、
迷いがなくなったわけでもない。

ただ、
「どこにも向かっていない不安」から、
「向かう途中の不安」に変わった。

それは、
思っていたよりも、
ずっと大きな違いだった。

現実は何も変わっていなかった。

それでも私は、
変わらない現実の中で、
昨日とは違う目線で立っていた。

そしてそれは、
静かだけど、
確かに始まっている合図だった。

次に変わるのは、
世界じゃない。

今日の、
私の選択だ。

投稿者 minatsu

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