朝の空気は、まだ冷えていた。
目覚ましが鳴る前に目が覚めて、布団の中でしばらく動けずにいた。
胸の奥に、重たいものがある。
理由は分かっている。
昨日も、その前の日も、同じ感覚を抱えたまま眠った。
不安だ。
うまくいくかどうか分からない。
今やっていることが正解かどうかも分からない。
この先に、本当に何かが待っているのかも分からない。
それでも、朝は来る。
カーテンの隙間から、白っぽい光が差し込んで、部屋の輪郭を静かに浮かび上がらせていく。
洗濯物の影、机の角、閉じたままのノートパソコン。
「今日も、怖いな」
小さく呟いた声は、部屋に吸い込まれて消えた。
それでも私は、起き上がった。
顔を洗い、コーヒーを淹れ、いつもの椅子に座る。
不安は、消えなかった。
置いていくこともできなかった。
だから、連れていくことにした。
不安を胸に抱えたまま、パソコンを開く。
画面が立ち上がる音が、やけに大きく聞こえた。
「大丈夫になってからやる」じゃない。
「不安がなくなったら始める」でもない。
今日は、
不安がいるまま、始める日だった。
それだけで、十分すぎるほどの挑戦だった。