結果から言うと、
今回は、不合格だった。
メールを開いた瞬間、
胸の奥が、ぎゅっと縮んだ。
画面に並んだ文字を、
一度では理解できなくて、
もう一度、ゆっくり読み直した。
「あ、だめだったんだ」
思っていたより、
声は出なかった。
やっぱり簡単じゃないよね。
そんなふうに、
どこか納得する気持ちもあった。
ほんの一瞬だけ、
やっぱり私には無理なのかな、
という考えも浮かんだ。
でも、それは長く続かなかった。
椅子に座ったまま、
スマホを置いて、
少しだけ、天井を見上げた。
部屋は静かで、
さっきまで気にしていた通知音も、
もう鳴らなかった。
不思議なことに、
時間が少し経つと、
心の中は、思っていたほど暗くなっていなかった。
それよりも先に、
別の感覚が、じわっと広がってきた。
「ちゃんとやったな、私」
怖くて、
何度も応募画面を閉じたこと。
Zoomでは、
緊張しすぎて声が震えたこと。
結果を待つ時間が、
あんなに落ち着かなかったこと。
全部、ちゃんと覚えている。
それでも私は、
逃げなかった。
ずっと、
「できない理由」ばかり探していた私が、
今回は、
「やってみる」を選んだ。
それだけで、
今までの自分とは、
少し違っていた。
不合格は、
失敗みたいに見えるかもしれない。
でも、
何もしなかった頃の私に戻りたいか、
そう聞かれたら。
答えは、はっきりしていた。
――戻りたくない。
だって今の私は、
応募の仕方を知っている。
仕事の話を聞いた経験もある。
怖かったけど、
それでもできた、という感覚を、
もう知っている。
それは、
合格した人だけが持てるものじゃない。
落ちた私の中にも、
確かに残っているものだった。
今回は、ご縁がなかった。
それは、事実だ。
でも、
それで全部が終わったわけじゃない。
むしろ私は、
ここで初めて、
「また挑戦してもいい自分」になれた気がしていた。
結果よりも、
行動したこと。
立ち止まりながらでも、
前に進んだこと。
その事実を、
ちゃんと認めてあげたいと思った。
スマホを伏せて、
深く、息を吸う。
胸の奥に、
小さな、でも確かな感覚が残っていた。
だから今、
私は胸を張って言える。
合否に関係なく、
この一歩は、やってよかった。
そして、
たぶん。
ここが、
本当のスタートなんだと思う。